どうもnobuです☆今回は昨今のウイスキーブームについて酒屋の店長である僕が思うことや現実についてです…
昨今のウイスキーブームで人気商品達はどんどん販売終了へ…
僕の本業は酒屋の店長です。仕事関連で近頃気になるのはやhりウイスキー。
最近国産のウイスキーが全滅状態である。特にヴィンテージ入りの商品、例えば「響17年」や「白州12年」なども次々に販売終了の現状だ。
ウイスキーなどは一気にバズって売れ過ぎても生産が追いつかないのが現状である。製法上熟成期間が必要になるウイスキーは
ビールやチューハイの用にどんどん底なしに作れるものではない。時間だけは買うことは出来ないのだ。いくらお金を出しても積んでもね。
最近はハイボールやウイスキーブームであるがそれにより、商品の品質は逆に下がっていると感じる。
ヴィンテージがあればブレンドでも12年物ならそれ以下の年代の物は入れられない。つまりヴィンテージを無くしてしまえば早期熟成の物もブレンドできるというわけだ。
そして値段だけは上がり続け中身のクオリティーは下がる。要は負のループだな。
代表的なのは響12年の代わりの響のJAPANESE HARMONYとかですね。マジでサントリーの響を名乗って良いレベルの商品ではない味のクオリティーの低さだ。
本当に酒屋の店長として残念だ。
何よりの問題は昨今ではウイスキーの原酒不足が深刻化してきているのだ。
キリンビールの人気商品である富士山麓も「限りある原酒(ウイスキー)を最大限に生かす」とキリンビールが発表し販売終了。
原酒のストックを増やすために蒸留所への投資も検討中だそうだ。
さらにはサントリーの人気商品であった「白角」も長い歴史に幕。
「マッサン」が与えたウイスキーブームの酒屋の弊害…
昨今のウイスキーブーム。要はニッカウヰスキーの創業者である日本のウイスキーの父とも呼ばれる
竹鶴政孝をフォーカスした連続テレビ小説「マッサン」の影響な訳だが。
これにより今までウイスキーに親しみのなかった若年層にもウイスキ
と思われがちだが実際そうでもない。それをこれから酒屋店長である僕が説明していく…
と言うのも、今市場からは消えているような商品、つまり響17年や響21年、山崎12年や山崎18年も大体どこの酒屋さんも物自体は
ガメてるだけで店の倉庫に隠してるいるような状態だからだ。
でもこれらの商品って実店舗で見なくてもネットでは販売されてますよね?
そうなんです!要はネットで高く売る為にガメて店では出し渋っている訳です。店舗ではネットみたいな暴利な価格は
常識的にも付ける事は出来ません。定価でしか売る事は出来ないのです。しかしネットなら3倍ぐらいの値段を付ければ
とんでも無い暴利を得る事が出来ます。そしてその値段でも売れます。これが皆が知らない業界的な裏話です。
じゃあやっぱり儲かるやん!ってなりますが、
儲かる儲からないの話ではなくて、コレってお客さんへの裏切り行為なんですよねつまり。
古参のウイスキーファンには堪ったもんじゃない昨今のウイスキーブーム
今回のウイスキーブームよりずっと以前から、山崎12年や響17年を買われていたお客様はもちろんいらっしゃいます。
そんな人達からすれば昨今のウイスキーブームなんてちゃんちゃらおかしい訳です。
何故なら市場からは自分がずっと飲んでた商品は消え、値段はネットはさて置き市場価格でも以前の倍。
ヴィンテージものは年号が外れクオリティーダウン。結果色々な店を探し回るか高い値段でも我慢して
ネットで買うかのどちらかしかありません。
やはり僕たちも商売です。そして酒屋自体が今や景気は最悪です。店に来たお客さんには
なんて営業スマイルで追い返すしかない訳です。
それが上の命令ですからね。もはや山崎とか響買いに来たお客さんを追い返すのが仕事になりつつあるのだ(笑)
「店には並べるな!」「ネットでチマチマ出せ!」今の時代の現状を考えれば致し方無しなのかも知れませんが
やはり気持ちの良いものではありませんね。
結局新規のウイスキーユーザーが増え売れ過ぎた事により、今までずっと山崎や白州のウイスキーが好きで
飲んでくれていたお客さんの分は無くなり、更には値上げ。昔からウイスキー飲んでる人はやっぱり怒ってますよ。
「若い奴がハイボールハイボールってウイスキーはロックじゃ!そんな味も分からん奴に飲ますウイスキーなんてないねん!」
とね。まぁその通りかな。
ウイスキーの良さが広まるのはいい事ではあるんですが、難しい問題ですよね。
数に限りがありますし、ウイスキーのように熟成期間のいる物って大量生産出来ないですから。それが良さでもあり、難点でもある。
Time is money(タイム イズ マネー)まさに時間だけはお金で買えない…
そう、時間だけはお金でも買えない。だからお金持ってる人は高くても無いなら買うし
山崎の50年物なんかが2011年にサントリーから数量限定150本を1本100万円で発売したが、出た時は一瞬で完売。
それが香港にて開催されたワインオークションで3,250万円になったとか前にニュースであったな。
お金ある人は糸目を付けないだろう美味いもの手に入らないものには。
※次は55年ものが出ますね。値段は驚愕の330万円。
しかし、いくらお金があっても原酒が無くなれば作る事が出来ないわけで、もちろん買う事も出来ない。
いくら金があっても商品が無くなることを止めれないのだ。出来るのは買占めまでである。
やっぱり僕的なイメージは渋いお父様が飲んでるのがカッコイイ!っていうイメージだなぁウイスキーって。
ウイスキーはやっぱり男のロマン。
酒屋の国産ウイスキーの棚は歯抜けだらけ…
上の話に戻るが実際、「山崎」、「白州」、「響」、「余市」、「竹鶴」等が店頭から消え棚は歯抜けでガラガラである。
そこに有名じゃない国産ウイスキーを放り込んでも、もちろん売れもしない。1回買って行く人はいてもリピートはない。
最近だと国産系で頭角を現してるのは「倉吉」とかかな。
上で言った売上的なところも、前みたいに普通に棚に並んでて1週間で10本売れるか
ネットに出品して1週間に1本売るかと言ったものなのである。別にウイスキー需要増えても
これを言えば売上なんて上がるどころか下がってるよ!って事が分かってもらえると思う。だって売るものがないんだから。
確かに一度でも山崎なんかを飲むとブラックニッカにはもう戻れないわ。悪酔いするだけ。
安いウイスキーなんて。でも普段飲みに出来る値段じゃ無ければもはや物も無いのだ。
少し長くなりましたが、これが今のウイスキーと酒屋の現状です。
酒屋の社員であり店長である僕の意見ではあるが、ズレてはいないはず。
僕の会社もそうだが今の酒屋って業種は基本ブラック企業になりがちだから
その辺を何とか少しでも改善させれたらなぁと願っています。
長々した酒屋社員のつまらないブログに最後までお付き合い頂きありがとうございました☆
ではまたnobuでした☆